店舗内装工事を検討しているが気をつけるべきポイントについて解説します

店舗内装工事会社には、ワンストップで行う場合とデザイン会社と施工会社が分離する場合があります。それぞれにかかる費用と特徴に差が出ます。費用はスケルトン型と居抜き型で異なり、同じ業態でも経営の種類によって大きく異なります。

店舗内装工事と一口に言っても、床や天井の工事から水道ガスや空調設備まで、店舗内のあらゆる設備に関する工事に関わっていきます。スケルトン型にするか居抜き型にするか、また業態による選び方によって費用も大きく変化します。ここでは、店舗内装工事の手順や、請け負う会社の種類やかかる費用についての情報などを提供します。これらの情報を参考にして、ニーズにあった会社を探してください。

店舗内装工事とはどの範囲の工事を指すのか

店舗内装

店舗内装工事とは、店舗の入る建物の外部が完成した後に、その建物の中の内装を工事することです。新築の建物だけでなく、内装だけをリフォームすることも指します。店舗内装工事によって、店舗の営業が可能になります。

店舗の内装をどのようにするのか、というのは集客の上でとても大切な要素です。 店舗内装工事は大まかにわけると2種類に分かれます。店舗内の天井や壁や床を完成させていく工事と、ガスや水道や電気などの設備工事がその2つです。このほかに、店舗の外観のデザインや施工、看板の工事も内装工事会社に依頼が可能です。

工事は施工の内容にもよりますが、おおむね3カ月から6カ月ほどの期間で完成です。 内装工事を具体的に見ていくと、天井の仕上げ工事では、天井の下地に石こうボードを貼り付けて、仕上げていく工事をさします。壁の仕上げは、下地にクロスやタイルを貼り付ける工事です。

同様に、床のフローリングやタイルやクッション・フロアやカーペットなどをデザインの指示通りに仕上げる作業や、間仕切りの工事、和室の場合には畳やふすまの紙の張り替えなどの作業も行います。防音の工事を行うこともあります。必要な家具を工場から搬入し、場合によっては組み立てて、デザイン通りに設置するという作業も内装工事の作業です。

塗装工事を施す場合もあります。塗装工事とは建築物の下地素材に塗装を施す工事で、塗装に使用されるのは、顔料や油類や合成樹脂や添加物や溶剤などがあります。見た目をきれいに整えるだけでなく、防錆効果や腐食、ほこりの付着を防止する効果を持ち、機能面でも重要な作業です。

設備工事では、コンセント・スイッチ・照明の取り付けや配線工事などの電気設備の工事や、水道管の設置など給水工事、空調換気に関して、エアコンの設置や換気扇の設置などの工事や、ガスの配管の設置や延伸工事なども行います。

店舗内装工事の大まかな費用と費用を抑えるコツについて

店舗内装工事の相場は、坪単価40万円から60万円ほどですが、この坪単価自体は10万円から数百万円と非常に大きな差があります。その価格の差は物件の種類がスケルトン物件か居抜き物件か、オープンする店は何の業種かなどによって、必要な設備が変化することによって発生します。

スケルトン物件は何もない状態の物件のことを指します。自由に店づくりができるというメリットがあるのですが、その分だけ費用は高めになってしまいます。居抜き物件は、同じような業態の店の内装をそのまま引き継いで、営業していくというスタイルですが、すべての内装を作る必要がなく、費用が抑えられます。

お店の種類によっても価格が変化します。飲食店や美容室やエステサロンの場合、スケルトン物件であれば坪単価が高くなりがちです。物販などを営業する場合、スケルトン物件でも少し安くなります。居抜き物件でも同様の傾向があります。

同じ業態の店でも、必要な設備などが違うと価格に差が生じます。同じ飲食店でもどのようなものを提供している店舗なのかによって必要な設備が異なり、坪単価も変化します。飲食店を例に取ると、焼肉店では煙が出るために空調設備に費用がかかります。

和食店ではインテリアにこだわることが多く、坪単価も高くなります。カフェはドリンクがメインで必要な厨房機器が少なく、ガス、水道工事などの設備に費用を掛ける必要がありません。レストランは、逆に、厨房設備やガス、水道設備に費用がかかるため、上手に居抜き物件を活用すると、単価を下げることが可能です。

居抜き物件であれば、どれだけ電気や水道などの設備が残存しているかで、設備工事の金額が大幅に変化します。居抜き物件を選ぶ際には、足りない設備の増設のための設備工事がどれくらいかかるのかを把握しないと、内装工事にかかる費用が見積もりできません。逆に上手に計画をすれば、費用を抑えることが可能です。

店舗内装業者についての基本的な知識

店舗内装

店舗内装工事には3種類の会社が関わります。1つ目は設計デザイン会社で、デザインを設計する業務と設計管理業務を担当する会社です。設計デザイン業務は、顧客のイメージしたイメージに沿ってデザインや店内のレイアウトを作成し図面にします。

このデザインをもとに、内装工事の施工会社が工事を実施します。また、設計した図面通りに施工会社が工事しているか、厳正にチェックする仕事が設計管理業務です。デザイン設計会社を独立したものにすると、デザイン性が高い内装にできます。

デザインは店舗の集客に大きな影響を与える要素です。 2つ目は、施工管理会社です。施工管理会社は、出来上がった設計書に沿って工事する際に、必要な資材や人材を集め、実際に工事を担当して、期限までに工事を終わらせるという仕事をします。

資材の入手経路を豊富に用意していて、また優秀な専門業者の手配が可能です。基本的にデザインはデザイン会社に依頼した状態で、施工会社に依頼するのが一般的です。 3つ目は専門業者です。実際に現場で内装工事を担当する専門的な技術を持つ職人をこう呼びます。施工会社の指示に従って、電気やガスや重機やクロスなど、さまざまな専門的に工事する業者です。

これら3種類の会社の組み合わせで、内装業者の発注の仕方も決まります。一つ目の会社は内装会社といって、デザインの設計から施工まで一貫して行う会社があります。設計から施工まで窓口が1つなので、顧客の負担が軽減されます。

デザインから施工まで一貫して行うために予算の範囲内に店舗内装工事を収めるにはこちらが良いでしょう。一貫で行うために工事の期間が短くて済むこともメリットです。 デザインと施工を別々の会社で行う場合もあります。

こちらでは、デザインにこだわって、おしゃれな店舗にする場合など、この方法が良いでしょう。ただし、完成までの期間が長めになり、予算的にも余裕が必要なところがデメリットですが、オンリーワンの店舗が仕上がります。

店舗内装工事で相手に自分のイメージしているデザインをきちんと伝えるには

店舗内装会社と、綿密に打ち合わせをし、要望を伝えるとデザイン会社や内装工事会社は、設計や施工を開始します。まず大切なのは、理想とするお客さん・提供できる価値について、具体的にイメージしているということです。

希望を提示するといっても、希望や要望が分かっていなければ仕方がありません。店舗事業の土台となる戦略が定まっていないと、砂上の楼閣となってしまいます。 伝えるべき内容として予算がありますが、事前に内装にかけられる予算を決定する必要があります。

予算を内装会社に提示する場合、明確に金額を提示した方がその後にトラブルにならずに済みます。会社もその金額で収まるようにプランの調整が可能です。内装工事にかけられる費用を上限まで提示すると、仮に、それ以上の予算が必要になったときに困ってしまいます。

予算を話す場合は、費用の8割程度にすべきです。 また、具体的に店舗の内装のイメージを話す事が大切です。具体案を提示した方が、内装会社はイメージをつかみやすくなります。インターネットやSNS上で気になった店舗の画像があれば、保存しておいて資料として提示できるようにしておきましょう。

また、実際に街中を歩いているときに、気になった店があった場合、写真に撮っておいて、提示してみましょう。 店舗を営業するときに、どのように営業していくかを話すことも大切です。想定している客層の年代や性別が違うと全く異なるデザインの店が出来上がってしまいます。

20代や30代の女性と30代や40代の男性では、店舗のイメージが全く異なるのです。営業をどのようにしていくかスタイルをイメージして伝えることも大切です。カウンターだけのバーと座敷のある和食のお店では、デザインが変わる事は間違いありません。

店内をどのような雰囲気にしたいかも伝えましょう。間接照明は中心の落ち着いた雰囲気にするのか、自然光を取り入れた明るいイメージにするのかでは、デザインが変化します。お客さんの導線を意識して座席の配置なども伝えましょう。

店舗内装工事はどのような手順で行われるのかその際に注意すべきことは

店舗内装工事はどのような手順で行われるのかその際に注意すべきことは

店舗内装工事の全期間は、おおむね3カ月から6カ月ですが、その流れをもう少し詳しく見てみましょう。 まずは、内装工事会社の選定から始まります。デザインの希望や予算に合う業者を選定する必要があります。

デザインに凝った店舗にするためにデザイン会社を独立させて発注するのか、ワンストップで行うのかで、会社の選び方は変化します。 次に会社にコンタクトを取ると、ヒアリングが始まります。

デザインなどの希望や予算を伝えます。ここまでに店のイメージや使える予算などを固めておいて、十分に伝えましょう。ここまでの期間で、大体2週間から3週間の期間が必要です。

ヒアリングした顧客の要望や希望に合わせて、内装工事会社がプランを作成します。この提案が行われるのはヒアリングから、3週間から4週間後です。平面レイアウト図や内装の完成イメージを立体的に描いたパースなどを使って内装プランが提案されます。

このプランで納得がいった場合、内装工事業者が予算の概算を見積もりします。見積もりが提示されて、契約を結ぶまでにさらに2週間から3週間の期間が必要です。 これらプランと見積もりと工事スケジュールに納得した場合、契約の運びとなります。

契約が完了したら工事が開始されます。工事期間は、1カ月から2カ月程度の期間を見積もることが必要です。 店舗のオープンは内装工事会社に問い合わせをしてから、3カ月から6カ月ほど必要のために、その期間を見積もってオープン時期を決定しなければなりません。

オープンがすでに決まっている場合は、早めに行動開始することが大切です。 内装工事会社の選び方によって、期間は変化します。工務店などデザインから設計施工まで、ワンストップで行ってくれる会社ならば、期間は短くてすみます。デザイン会社と、施工会社を別々にする場合は、完成までの期間が長くなってしまいます。予算だけでなく、後期の点も考慮して会社を選択しましょう。

店舗内装工事のアフターフォローはどのようになるのか

店舗内装

無事に店舗内装工事が終了しても、終了した内装や設備には、不具合が出た場合にはアフターフォローが必要になります。また長期間営業すれば、店舗の定期的なメンテナンスも必要です。

不具合やトラブルが発生した場合、工事会社側のミスであれば、一年程度の期間は、どの会社も無償でアフターフォローに応じてくれます。その内装工事会社が関わった工事であれば、アフターフォローの範囲はすべてのものに及ぶことが通常の契約です。

飲食店や店舗向けの保険も存在します。飲食店や店舗を経営していると、想定しにくいようなトラブルに見舞われることがあります。そのトラブルに対応するためにも、保険に入ることを検討すべきでしょう。

店舗内装会社を紹介するサイトによっては、工事後にトラブルが発生した場合、再工事の費用をカバーする保障制度を設けているサイトもあります。これでは話が本末転倒になってしまいます。工事に失敗があるという事は避けるべきことですから、そのような業者を選択しないことが大切です。

きちんとした内装工事外車であれば、契約書の中にこのようなトラブルに見舞われた場合に、どこまで保障するのか、またその期間はいつまでなのかという事項をきっちり記載しているものです。保証制度を利用してもかまいませんが、契約書をきちんと確認して、トラブルにきちんと対応してくれる「瑕疵担保責任」について、きちんと記載している会社を選ぶべきです。

良い会社とは店舗内装工事が終了した後でも、長い間付き合いがある会社です。会社が行った店舗内装工事の範囲位にこだわらず、定期的にメンテナンスや点検してくれる会社もあります。特に空調のメンテナンスなどは定期的に行うものです。 「ドアの鍵の締まりが悪い」、「照明の具合が悪い」など細かいことから、急な工事が必要な場合まで、スピーディーに対応してくれる会社を選択すると、内装に関して任せられる会社を選びましょう。店舗内装工事をイメージ通りに、また費用を抑えて行うためには、事前の情報収集と作りたい店舗のイメージをしっかりと決めておくことが大切です。店舗の営業スタイルによって、内装工事の費用に差が出てくるので、賢く物件を探し、業者を選定する必要があります。内装は店舗の売り上げを大きく左右します。効果のある慎重に決めていきましょう。